iPS研で論文不正。山中所長は辞任!?改ざんねつ造はなぜ起こる?

なかなか無くならないですね。

iPS細胞の発見でノーベル賞を受賞した、山中教授が所長を務める京都大学のiPS細胞研究所で、助教授による論文不正が発覚しました。

山中教授は責任を感じ、辞任も検討しているようです。

iPS研究所に何があったのでしょうか?

そして、論文の不正はなぜ起こるのでしょうか?

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iPS研で論文不正が発覚!「論文の見栄えをよくしたかった」


出典;日本経済新聞

日本の化学分野での研究不正が後を絶ちません。

京都大学iPS細胞研究所に所属していた、山水康平助教らがアメリカの科学雑誌に発表した論文に不正が発覚しました。

STAP細胞の時といい、最近の東大での論文不正と言い、目立つ分野なだけに多い印象がありますよね。。

この事件を受け、所長である山中伸弥教授は「取り返しのつかないことではありますが、心から反省しております」と述べ、責任をとって辞任することを検討しているようです。

山中教授自身は、論文改ざんに直接関与していない(と思われますが)、不正をチェックできなかった点で、トップとしての責任もあるのでしょう。

今回の不正があった論文は、アルツハイマー病の治療に役立つものとして期待されていましたが、「信憑性に疑いがある」という指摘を受け、調査を行ったところ、グラフにねつ造や改ざんがあったことが分かりました。


出典;MBS

不正を行った山水助教は「論文の見栄えをよくしたかった」と述べています。

こうした論文の不正はなぜ起こってしまうのでしょうか?

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論文の不正はなぜ起こる?


出典;カラパイア

後を絶たない論文の不正ですが、何が彼らをそうさせるのでしょうか?

今回のiPS研究所では、2010年の創設以来、各研究者に実験用のノートを配布しており、「(書き換えが可能な)鉛筆の使用は不可」「プロジェクトごとに別のノートを使う」「データなどの記入は続けて行い、空白部分がある場合は斜線で消す」ということを徹底させていたようです。

しかしながら、それでも不正を防ぐことはできませんでした。

対策を施しても不正が起こる原因について幾つか取り上げたいと思います。

有期雇用 何としても成果を出さなければという焦り


出典;弁護士ドットコム

今回、不正が発覚したiPS研究所では、教授や主任研究員を除く多くが、有期雇用であったようです。

これは、期間内に一定の成果を出さなければ、研究所に残れないことを意味しています。

山水助教も、雇用期間が3月に迫っており、研究成果が雇用延長別の研究機関での就職に反映される状況だったようです。

こういった過度にプレッシャーを生み出す環境も、不正を生み出してしまう原因の一つなのでしょう。

勿論、仕事の価値というのはその成果に他ならないため、期間内に成果を求められるのは自然なことでもありますが、、何よりも信頼が求められる研究分野において、短期的な成果で測るのはこういったリスクもあることを念頭に置かなければならないですね。

先行する競争心・薄れる使命感


出典;a.36krcnd.com

近年、先端的な分野を中心に、研究成果を少しでも早く世に出すという先陣争いが強まっていることが指摘されています。

また先端的な分野の研究を続けるには、他の研究者と競争し、競争的に研究費を獲得し続ける必要性があるとも述べられています。

こういった背景から、本来の研究者の使命である「真理の追究」という意識が薄れ、少しでも早く理想的な結果を出したいという気持ちが強くなり、不正に至ってしまうようです。

研究者倫理・基本プロセスの欠如


出典;sportsdoc.jp

研究者は研究活動の本質を理解しているとともに、正しい倫理観を持つことも求められています。

どういうことかと言うと、私たちはある研究が発表されたときに、特に疑うことなくその事実を受け入れます。

STAP細胞すげぇ!iPS細胞、よくわからんけど人類の発展に役立つんだろうなぁ、といった具合です。

これらは、学術発表の「信頼」の上に成り立っています。

この信頼はどこから来ているかというと、発表された論文が、正しいものであり、公正なものであり、事実であるということです。

従って、正しい倫理観を持つ研究者であれば、この信頼の重要性を理解しているので、不正や改ざん、盗用など、信頼が揺らぐようなことは行いません。

しかし、正しい倫理観を持たない人は、、全く逆のことが生じるのです。

また、研究プロセスについても同様です。

正しい研究プロセスは、正しい倫理観を実践した行動と言えるでしょう。

つまり、通常であればグループ内で生データを見ながらじっくり議論をして説を組み立てていくという、正しいプロセスを踏みながら研究を進めていくことで、正しい事実のデータを元に、公正で論理的な推論が行えます。

しかし、正しいプロセスを理解していないと、先ほどの競争心と相まって、早急に結論を下したり、データを仮説に合うように修正したりということが生じうるのです。

近年の論文不正の増加は、この正しい倫理観、正しい研究プロセスの欠如を示しています。

組織内の自浄作用の低下


出典;ハウリンウルフ

閉塞的な組織に有りがちな、自浄作用の低下も挙げられています。

高まる競争意識が組織内の秘密主義を生み出し、グループのメンバー内でも活発な議論が行われなくなること、またそれにより事なかれ主義が蔓延してしまうことが多いに在り得ると述べられています。

活発な議論が行われないことから、グループ内でお互いが何をしているかが把握できず、不正が生じても指摘しあえないことが、自浄作用を失わせているとも指摘しています。

こうした自浄作用が失われると、チェックが形骸化してしまったり、お互いで不正を指摘できないどころか、不正を隠蔽までしてしまい、そのまま論文を発表してしまうことに繋がってしまうのですね。

ネットの反応

・研究に早急な成果を求める仕組みがダメなんだよ。
・本人が悪いのは当然だけど、それでもその背景には日本の研究職の在り方の問題も大きいと思う。
・世の中ipsに期待しています。今闘病中の方も救ってほしい。
・やった事は最悪だし、資質の問題もあるけど、有期雇用という雇用形態に原因があるのも確かでしょう。
・国としてこの事を重く受け止めてほしい。
出典;Yahooコメント

おわりに

不正をしたこと自体は言い訳のできないことであり、大変残念なことでもあります。

しかしながら、過度にプレッシャーがかかる、競争を煽られるといった研究に集中できなくなる要因が明確であるならば、その枠組みを作る側の方で取り除いてあげないと、今後も不正は無くならないのでは、と思いました。

研究の世界に限らず、優秀な方々が期待や競争のプレッシャーに負けて、不正に手を染めてしまうのは何とも残念なものです。

個人としては、人として何が大事かという「道徳」的なことを見直す必要があるとともに、組織としては締め付けではない方法で、不正を無くしていく環境づくりが必要だと思いました。

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