カズオ・イシグロ。
2017年のノーベル文学賞受賞者である。
名前からして日本人だとおもうのだけど、、やばい!知らない。
いつ知るの?
今でしょ!
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カズオ・イシグロ プロフィール
出典;NEWS JAPAN
本名:Kazuo Ishiguro(漢字表記:石黒 一雄)
誕生:1954年11月8日(62歳)
日本 長崎県長崎市
国籍:日本⇒イギリス
言語:英語
職業:小説家
代表作:「日の名残り」(1989_ブッカー賞受賞)
道理で知らなかったわけだ。。と、言い訳するのも何かイヤではあるが、カズオ・イシグロは国内作家ではなく、イギリスで活躍する日系イギリス人作家なのである。
生まれは長崎県であり、5歳の時両親と共にイギリスに移住。
29歳にイギリス国籍を取得し、その年に処女作「遠い山なみの光」(英語名:A Pale View of Hills)で作家デビューを果たす。
デビューから7年後の1989年に、大英帝国の栄光と没落、戦争の問題について書いた「日の名残り」(英語名:The Remaims of the Day)で、権威のあるブッカー賞を受賞したことが、カズオ・イシグロの名を国際的に響かせたのである。
生まれと異なる国の歴史と問題に入り込んで高い評価を得るって、何か凄いことですよね。
長く日本に住んでいても、日本の歴史や問題って語れないもの。
でも、どうやら幼少期を日本で過ごしたことが、カズオ・イシグロ作品に大きな影響を与えているらしい。。
カズオ・イシグロの魅力
ノーベル賞発表時の受賞理由を、
偉大な感性を持った小説によって、世界とつながる幻想的な感覚の下にある深淵(しんえん)を明らかにした
とアカデミーは伝えている。
偉大な感性と、世界とつながる幻想的な感覚の下にある深淵。
一体何なのだろうか?
カズオ・イシグロさんを知らなかった自分なので、氏の深い感性を1%でも理解できたというのはおこがましいことである。
でも、理解するヒントになりそうなものを共有したいと思う。
偉大な感性
人生は短い。私にとって大切なものは愛や友情、尊厳です。「もののあはれ」は、小説を書く上で常に私の心の中にある。
出典;読売新聞
彼の中には日本が残っている。(中略)あのしっとりとした人間関係、陰影の深みはまさしく日本のものだろう」
出典;読売新聞 池澤夏樹さんとの話
共通するのは、日本的な感覚である。「もののあはれ」はその核になる表現だろう。
イギリス的な秩序を重んじる固さでも、アメリカ的なダイナミックとヒロイズムでもない。
日本の持つ、柔らかで触れればふっと無くなってしまいそうな、フラジャイルな感覚。そしてその余韻。
桜を思い浮かべればよいだろうか。春。短い間の薄紅色と、風に吹かれて散らされたあとの面影。
日本で生まれ、わずかな時間であっても日本で育った者にしか、刻み込まれない感覚だろう。
「もののあはれ」と愛、友情、尊厳の結びつきに、人間関係の「しっとり」や「陰影の深み」を池澤氏は感じ取ったのであり、この感性の表出が世界中の心を打ったのではないか。
世界とつながる幻想的な感覚の下にある深淵
幾つかの作品の特徴を見てみたい。
・遠い山なみの光:英国で暮らす日本人女性の故郷を思う気持ちや時間の移ろい
・日の名残り:大英帝国の栄光と没落、戦争の問題と記憶
・忘れらえた巨人:古いイングランドを舞台にした、記憶と忘却や現代の社会情勢
記憶という共通項。
つながる世界は異なる。昔住んでいた日本。酸いと甘いを経験した第二次世界大戦。かつてのイングランド。
記憶を通して深淵へと導かれるのであろう。そして、それは登場人物や読者だけに及ばない。
カズオ・イシグロ自身は、記憶とは何かを問いかけた忘れられた巨人の執筆に際し、
小説を書くたびにかなり絶望的になった。命からがら逃げきった心境になる
出典;テレビ朝日
と述べている。
読者だけでなく、著者自身も心揺さぶられるのである。
ノーベル賞受賞について
イシグロさん自身はノーベル賞受賞は全くの予想外と言っており、奥さんも美容院に行っている間に発表を聞いたと述べていることから、まさに青天の霹靂だったことであろう。
毎年村上春樹氏を予想しているブックメーカーにもエントリーされていなかったことから、世界中もサプライズに包まれたに違いないのである。
イシグロさんの著書の翻訳を手掛けている土屋正雄氏は、イシグロさんのノーベル賞に対するスタンスについてこのように述べている。
「ノーベル賞の受賞には関心がない。ノーベル賞受賞者の受賞後は、みなロクな作品を書いていないので、その一人にはなりたくない。」と。
気になるイシグロさんは、受賞を受けて「世界が不安定な状況の中で、小さな形でも平和に貢献できればうれしい」と語っている。
内心複雑な気持ちもあるのかもしれないが、受賞したからにはその矜持をもって活動していくという決意を感じるコメントである。
ネットの反応
・知らない人も多いのでは?!だから余計気になるかも。
・去年も今年も文学賞はサプライズだな(^^;
・昨夜、友人に薦められていい機会だから読んでみようと思った
・イシグロ氏は時代や価値観に翻弄される人をよく書いている。その人たちの気持ちを読み取って、この不安定で動揺が激しい現代世界の知恵としてくれたらありがたいと思う。
出典;Yahoo知恵袋
自分と同じくこれから読んでみようという人が多いですね。
本好きにとっては、読み本が増えるのはこの上ない楽しみであろう。
イシグロさんを前から知っている人はこの上ない歓びであろう。
いろんな歓び、楽しみを与えてくれました。
カズオ・イシグロさん、ありがとうございます。そして、受賞おめでとうございます!