東大卒の電通社員・高橋まつりさんの自殺から2年。
お母さんが今も残る、心の痛みを綴った手紙が公開されました。
電通は今どうなっているのでしょうか?
そして社会悪とも言えるブラック企業はなくなるのでしょうか?
イマに迫りたいと思います。
Contents
高橋まつりさんを振り返る
出典;twitter
「仕事も人生も、とてもつらい。今までありがとう」
高橋まつりさんが残した最期の言葉。
2015年12月25日。享年24歳。
あまりにも早すぎる彼女の死でした。
何が高橋まつりさんの命を奪うことになったのでしょうか?
過労死ラインを超える100時間越えの残業
出典;darapic.net
残業100時間。
これだけ聞くと、「なんだそんなのものか」「甘いんじゃないか?」と思う方もいるのではないでしょうか?
実際筆者も100時間越えは体験しましたし、150時間や、人によっては残業時間200越え!?という方もいるようです。
が、勘違いしないでくださいね。
その発想がおかしいのです!
数字の妥当性はともかくとして、政府が定めている過労死ラインの残業時間は、月80時間なのです。
従って、月100時間越えの残業時間は、疑うまでもなく生死にかかわる重大な問題なのです。
高橋まつりさんが過労死ラインを超える残業を行うようになったのは、10月からのこと。
亡くなる3カ月前のことでした。
上司からのパワハラ?
出典;darapic.net
これは人によりますが、誤解を恐れずに言うのであれば、長時間労働というだけなら案外人間なんとかやっていけるものです。
まぁ、大抵長時間労働がザラになっている企業や部署は、それ以外にも問題があるのですが、、
高橋まつりさんが所属していた部署には、、まぁ心無い上司がいたようです。
・君の残業時間の20時間は会社にとって無駄
いや、フォローなり早く帰したりするなりしてあげましょうよ。。
・会議中に眠そうな顔をするのは管理ができていない
部下の管理ができていないですからねぇ。。
・髪がボサボサ。目を充血したまま出勤するな
顧客や見えない相手に対して想像力を膨らませて広告を創るのが、あなた達の仕事じゃなかったでしたっけ?
、、、といったブーメラン感満載のイヤーな発言をする上司がいたようです。
しかし、、残業続きで弱っている人間にとって、これはキツイものです。
まして、新入社員の立場で上司に物申すことなど、なかなかできないものです。(だからパワハラが横行するのですが)
肉体的にも、精神的にも、高橋まつりさんは追い込まれるようになりました。。
そして、、
身も心もボロボロ。我慢の限界。。追い詰めた電通の風土
出典;産経新聞
高橋まつりさんはとっくにボロボロで、限界を超えていたようです。
度重なる悲痛なツイート。
自分ができていないと感じた罪悪感。
今時とも言えるオシャレな女の子が、身をボロボロにしてまでの出社。
誰も気づいてあげられなかったのでしょうか?
そうかもしれません、、
限界を超えたハードワークを美徳とする風土が電通にはあったようです。
出典;togetter.com
有名な電通の鬼十則ですね。
持つべき精神としては、少なからず共感できるものもありますが、、
人の命と引き換えにしていいものではありません。
社員の健康状態を無視してまで従わないといけないものなのでしょうか??
高橋まつりさんは、鬼十側に基づいた会社風土の悲しい犠牲者でした。
電通のイマ
出典;東洋経済
高橋まつりさんの死から2年。
電通サイドはどのような動きがあったのでしょうか?
昨年、電通の石井社長(当時)は、「このような悲劇が二度と起こらないようにする」「コンプライアンスを遵守し、会社のアイデンティティを再点検し、新しい企業文化を社員と一緒に創り上げていく」と述べ、社をあげての会社風土の改善を約束しました。
その年のブラック企業大賞に選ばれましたね。
電通は、このような過酷で人権侵害的な労働環境をまともに改善することもなく放置し続けた。何人もの労働者がこの企業によって殺された。
電通は、日本を代表する大企業である。それは輝かしい意味でではない。社会的に決して許されない人権侵害を続けた代表的企業である。ここに、強い怒りを込めて「ブラック企業大賞2016」の大賞を授与する。
出典;ブラック企業大賞
また、職場の人間関係が強いストレスになった可能性については、「自殺の原因となった可能性は否定できない」とし、「パワハラとの指摘も否定できない、行き過ぎた指導がなされていた」と述べていました。
石井社長は、2017年の3月をもって取締役を退任したと思われます。
高橋まつりさんの死後、電通の不夜城といわれた電通の灯りは22時に消え、22時以降はメールも禁止するなど、改革に向けた動きは見せているようです。
しかしながら、まつりさんのお母さんが電通社員に感じているのは、2年経った今もなお
「自分たちは厳しい上下関係や深夜勤務を乗り越えて成長してきた」という成功体験に囚われていて、意識改革は遠く難しいと思います。会社も社員も非常識な文化や成功体験を捨て、改革への意識を共有して、本気で実行に向かわなければ、また不幸な出来事を繰り返すことになります。
出典;産経ニュース
という印象がぬぐい切れない様です。
ひとりの命を失わせてしまった責任を重く受け止め、今後も改善に取り組んでもらいたいですね。
ネットの反応
・社風はそんなに簡単には変わらない。残業時間こそ強制的に減らしているが、パワハラ体質はずっと引きずっている。
・パワハラ上司はその後どうなったのだ?
・政治が変わらないと同じ災いの繰返しになります。
・言い方キツいけどそうやって会社批判するくらいならその前に娘を助けてあげればと思うけど…。
・体力を奪われた人は心が弱くなる。心が弱った人を蔑み怒号を浴びせる。意外と簡単に人は死ぬよ。
出典;Yahoo知恵袋
おわりに
あの痛ましい事件から、もう2年になるのですね。。
日本の長時間労働は今もなお問題として残っていますね。
プレミアムフライデーの記事でも触れましたが、仮に早く帰ったとしても、会社近くのカフェで仕事の続きをしている、そういう状態です。
その割には生産性が先進国で最も低いのですから、、いったい何の労働なのでしょう。。
トップダウンが頼れないのであれば、、悲しいですが、ひとりひとりが考えて、希望のある生き方を見つけなければいけならないですね。
会社にいようと、会社に雇われてなかろうと、です。
いずれにしても、こうした悲しい事件がなくなる未来が来て欲しいですね。。
理想は、どこにあるのでしょうか。